天井裏でトトトト……となにかが走る音がする。
天井来や床下でがりがりと何かを削る音が……。
なにやら異臭がするようになった……。
ベランダや庭の一部分に鳥のフンが堆積している……見上げれば、巣を見つけた。
これらは全部『獣害』です。
なにも山からサルやクマ、イノシシが降りてきて──という話ばかりが獣害ではありません。
一番メジャーなところで『家ネズミ』の被害も獣害です。
ただ、この獣害ですが非常に困った問題があります。
どんなに被害があっても、日本の法律では免許や許可がないと基本的に獣を捕獲してはいけませんということになっているのです。
つまり、どんなに困っていても捕まえることはできないのです。
ただ、『家ネズミ』に関しては実は免許が必要ではないので、一応捕獲はできます。
しかし、そんな家ネズミでも正直、安易に素人が捕獲を試みるのはおすすめしません。
なぜなら、動物は一般人が考えている以上に賢く、容易には捕獲できないからです。
ネズミだと、毒餌や捕獲シートなどが市販されていますが、それらを使ってきちんと捕獲しきることは非常に難しいのです。
捕獲するには、専門家の知識や経験が必要になります。
それに、こうした害獣の駆除は実際には『駆除』するだけでは問題の解決には至りません。『対処』する必要があります。
駆除は対処の一部でしかないのです。
害獣が住みついたことで清掃が必要になります。フンなどが堆積しているかもしれません。
ダニやノミの除去も大事でしょう。細菌や寄生虫に対する対処も必要です。
つまり、清掃・殺菌・消毒などが必要になります。
そして、害獣が住みついたということは侵入経路があるということですし、その場所が害獣によって住みやすい環境であるということの証明でもあります。
つまり、侵入経路を特定して塞がなくてはいけないですし、再発防止のための施工も必要になってきます。
害獣によって家屋が破損・腐食させられていたら、そのための修繕も必要でしょう。
これらをすべてやって、対処です。
それに、仮に捕獲したとして一般人が『処分』を行うのはかなり抵抗があると思います。
これらの問題もあって、害獣被害になったら即プロに依頼しないといけないのです。
だから、獣害はまさに降ってわく『被害』なのです。